放送日:2004年10月13日~2005年3月23日
第01話「双頭の悪魔」
2004年10月13日放送
薫(寺脇康文)が麹町東署捜査一係へ転属となった。「めでたく現場復帰だ」と喜ぶ薫だが、同棲相手の美和子(鈴木砂羽)はなにやら深刻な話があるらしい。実は美和子は密かに別の男と付き合っていた。薫に言い出そうにもなかなか言葉が出てこない美和子。薫はそんな美和子の心の中を知る由もない。
その美和子の新たな恋人で院内紙記者・鹿手袋(西村雅彦)は、二世の若手議員・雛子(木村佳乃)をマークしていた。若手だけで自らの会派を立ち上げるなど、政界で話題を振りまく雛子に鹿手袋は機密費にまつわるスキャンダルがあるとにらんでいるらしい。 首相補佐官の沢村(春田純一)の遺体が、本人の事務所兼自宅から発見された。死の直前、朱雀官房長官(本田博太郎)の携帯に沢村から自殺を予告する電話が入り、現場へ駆けつけたが沢村は延長コードで首を締めた後だったという。
朱雀から現場に呼ばれた首相秘書官の加賀谷(佐戸井けん太)は、そんな説明に動機について思いをめぐらすが、朱雀は首相官邸に盗聴器が仕掛けられた事件に関係があるという。沢村は責任を感じて自ら命を断つに及んだらしい。が、以前、加賀谷らが問い詰めたときはふてぶてしい態度で否定していたが…。
同じ日、鹿手袋が何者かに刺され、重傷を負う事件が発生した。担当になった薫は鹿手袋が入院する病院へ。看護婦から携帯など鹿手袋の所持品を受け取った薫だが、突然携帯がなり、なんと発信者に美和子の名前が。
ここで初めて美和子が鹿手袋と付き合っていることを知らされた薫。ショックを通り越して、怒りを露にして…。
すっかりやる気を失った薫は、新たな上司・海音寺(竹中直人)と大喧嘩。「とっとと辞表を出せ!」と怒鳴る海音寺に「辞めりゃいいんでしょ」とタンカを切ってしまう。
大八木秘書官(清水昭博)も沢村の自殺に疑問を禁じえない。秘書官たちと対立しながらも自身満々な態度を崩さなかった沢村が、仮に盗聴器の事件を認めたにしても自殺などするはずがない。が、そんな大八木に加賀谷は「いいじゃありませんか。我々の願いがかなった」と密かにほくそ笑む。
沢村の一件が自殺で落ち着こうとしていた矢先、前法務大臣の瀬戸内(津川雅彦)が沢村を殺したと自首してきた。が、動機など取調べにも何一つ答えようとしない。そんな取調室に右京(水谷豊)が突然やってきた。
「どうにもあなたと殺人が結びつきません」。
はたして沢村は本当に自殺だったのか。そして自首してきた瀬戸内の真意とは?さまざまな思惑を秘めた事件に、右京と薫のコンビが動き始める。
相棒Season03 第1話「双頭の悪魔」
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第02話「双頭の悪魔II~堕天使」
2004年10月20日放送
前法務大臣・瀬戸内(津川雅彦)自首の目的は、あえて自らが沢村補佐官を殺したと名乗り出ることで警察を動かそうとしたのだった。怒った朱雀官房長官(本田博太郎)は瀬戸内と通じている小野田(岸部一徳)を降格。唯一、右京(水谷豊)は事件の真相を解明しようと動いていたが、その右京にもいつ朱雀の魔の手が伸びるかわからない…。
首相官邸に盗聴器が仕掛けられていた、という事実を確認するため、右京は入院中の鹿手袋(西村雅彦)のもとへ。無作為に盗聴電波を拾ってはストレス解消をしていたという鹿手袋は、たまたま首相官邸の近くで朱雀官房長官の声を拾ってしまったのだという。右京は病院を出るとその足で加賀谷秘書官(佐戸井けん太)、大八木秘書官(清水明博)と会い、真偽を確認する。すると2人はオフレコと断った上で、首相官邸の首相執務室、官房長官執務室、それぞれの秘書官室などに盗聴器が仕掛けられていた事実を認めた。加賀谷らによると犯人は死んだ沢村補佐官で、彼の自殺の動機と考えられているらしい。が、それだけ盗聴器を仕掛けておきながら、なぜ完全秘密会の会議が行われる閣議室に仕掛けなかったのか?右京は疑問を抱く。
薫(寺脇康文)のもとに大河内警務部監察官が現れた。どうやら右京に解雇の危機が迫っているらしい。大河内の助言を聞いた薫は、処分が下される前になんとしても犯人を捕まえようと右京とともに行動することにする。
鹿手袋を刺した容疑者が捕まったが、鹿手袋を脅していた関西なまりの男が犯人ではないことが判明した。どうやら犯人は鹿手袋が日頃から脅されていたことを知っており、その男が疑われるように仕組んだらしい。では、なぜそうまでして鹿手袋は狙われたのか。
鹿手袋は何か重大な秘密を握っているのかもしれない。再び病院を訪れた右京らは、今では薫の同棲相手・美和子(鈴木砂羽)の恋人である鹿手袋から驚くべき事実を聞かされる。はたして彼がつかんでいたスキャンダルとは?
相棒Season03 第2話「双頭の悪魔II~堕天使」
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第03話「双頭の悪魔III~悪徳の連鎖」
2004年10月27日放送
父の地盤を継いだ若手女性議員・雛子(木村佳乃)は、朱雀官房長官(本田博太郎)の愛人で、多額の機密費を手にしていた。そんなスキャンダルを追っていた鹿手袋(西村雅彦)を刺したのは、雛子の秘書・小松原(中村方隆)の息がかかった男だった。事件が公になるのを怖れた小松原は事情聴取の前に自殺。事件は闇へと葬られることになる。
しかし、鹿手袋を刺した事件と沢村補佐官の事件に関連があるとにらんだ右京( 水谷豊)は、沢村が朱雀官房長官と雛子の関係を知ったがため、自殺を装い殺害されたのでは、と推理。右京の意見に同調した薫( 寺脇康文 )は動機から見て沢村殺しの犯人は朱雀 か雛子、と言うが朱雀 には確固としたアリバイがあり、雛子が一人で沢村を殺せるとは思えない。さらに沢村が無警戒のまま、むざむざと雛子に殺されるとも思えず…。
右京はあえて朱雀に自らの疑問をぶつける。なぜ 朱雀は沢村補佐官から自殺するという電話を受けたとき、すぐに沢村の自宅へ向ったのか。そして、もし沢村が自ら自宅にいると言ったのだとしたら、沢村に死ぬ意思はなく、朱雀に助けを求めただけのはず。なのになぜ密室だったのか…、と。答えに窮した朱雀は「だからなんだ!」と苛立ちを現すが、右京は「矛盾点に合理的な説明がつかない限り、事件は終わらない」と言い放つ。 右京 と薫は 朱雀からの連絡で沢村が死んだ現場へ駆けつけた加賀谷秘書官(佐戸井けん太)に改めて事件の夜のアリバイを確認する。が、説明は曖昧でかなり動揺している。右京は小野田(岸部一徳)にプレッシャーをかけさせ、ついに加賀谷を自供に追い込む。
加賀谷によれば、直接手を下し沢村を殺したのは、加賀谷と朱雀。が、朱雀にはアリバイがある。右京らはあらためて朱雀の周辺を調べ、沢村殺しの犯人として逮捕しようとするが…。
相棒Season03 第3話「双頭の悪魔III~悪徳の連鎖」
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第04話「女優~前編~」
2004年11月10日放送
美和子(鈴木砂羽)が出て行き、散らかり放題となった部屋で寝ていた薫(寺脇康文)は、その美和子からの電話で起される。
「右京さん(水谷豊)が免職になっちゃったみたい」。
一気に眠気が覚めた薫は大河内監察官(神保悟志)のもとへ行き猛抗議。右京を恨んでいた朱雀官房長官は右京らに殺人犯として検挙され失脚したはずだが…。が、大河内によると、朱雀と密接な関係にあった木佐貫首席監察官(陰山泰)のいわば逆恨みで右京は免職に追い込まれたらしい。
薫は官房長に復帰した小野田(岸部一徳)に泣きつくが、さすがの小野田も頑なな木佐貫を説得できず正式決定を覆すことはできない。が、当の右京はというと、免職決定にもどこ吹く風。「頼んだ覚えはない」という右京に、さすがの小野田も「おまえのためじゃない、亀山くんのため」と反撃する。
そのころ、薫は所轄管内で発生した強盗殺人事件の捜査に乗り出していた。被害にあったのは有名女優の小峰夕月(羽田美智子)と夫で脚本家の古谷(深水三章)邸。深夜、一人の不審な男が庭にいるのを発見した古谷は警察に通報。が、男は部屋にまで押し入ると夕月に銃を突きつけ金を要求、隙を見て逃げようとした夕月ともみ合いとなったが、そのとき男が発砲した銃の流れ弾があたり古谷が死亡。慌てた男は何も盗らずにそのまま逃亡したという。茫然自失の夕月に薫は古谷との結婚生活について質問するが、実は2人は籍を入れていなかったことが判明する。その後、伊丹憲一(川原和久)ら捜査一課との合同捜査となるが、逃げた犯人の行方はようとしてつかめない。
それもそのはず、事件は夕月とその恋人であるマネージャーの松永慎二郎(岡田浩暉)が仕掛けた狂言だった。松永が庭をうろつくと、夕月が古谷に報告し警察に通報させると、松永は堂々と古谷の部屋に乗り込み、夕月を人質にとり2人でもみ合うような格好をしながら古谷を打ち抜いたのだった。 「後悔してる?」
「してないさ」
ホテルの一室で2人は愛を確かめ合い…。
たまきから右京の居場所を聞いた薫は閉館直後の図書館へ。すると右京がなぜか鑑識課の米沢守(六角精児)といっしょに夕月の事件について書かれている新聞に目を通していた。右京によると、事件に府に落ちない点があるという。なぜ金品を狙った強盗が古谷を殺しただけで逃げたのか。本当に金品が目的ならば、夕月をなおも脅して奪えばいいはず。仮に銃は殺しが目的でなく脅すためだけのものだったとしたら、当時誰もいなかった1階に忍び込み、誰にも見つからないうちに逃走すればいいはずだ。犯人像が絞り込めない、という右京に薫も同調。翌日、早速、海音寺課長(竹中直人)に報告する。
薫の鋭い指摘を右京の発案と見抜いた海音寺は、免職になった右京を雇い薫とコンビで捜査に当たらせようとする。どうやら右京の類まれな才能と、その右京をサポートする薫の仲を高くかっているらしい。 内外の批判にさらされながらもこれで堂々と捜査できるようになった右京。薫とともに夕月、松永との対決がいよいよ始まる!
相棒Season03 第4話「女優~前編~」
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第05話「女優~後編~」
2004年11月24日放送
右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、古谷の自宅2階のトイレの壁に今回の事件と設定がそっくりなストーリー案が書かれているのを発見。偶然とは思えないと夕月(羽田美智子)、松永(岡田浩暉)に話を聞きに行く。2人を犯人とにらむ右京は、今回発見された事実をもとに2人を追い詰めようとするが、逆に夕月から松永と婚約したことを知らされる。夕月が犯人ならあえて婚約を発表するなどと疑われることなどするだろうか。夕月の不敵な挑発に右京も納得せざるを得ない。右京は改めてトイレのメモを見たかと夕月に確認すると、2階のトイレは古谷専用だったため入ったこともないという。
夕月がトイレに入ったという証拠が見つかれば、夕月を追い詰めることができる。右京と薫は改めてトイレ周辺の捜索を。が、何も見つからずイライラを募らせていると、薫がトイレのスリッパのウラについていた女性のものと思われる髪の毛を発見した。薫のお手柄にさすがの右京も舌を巻くが…。
夕月から半ば強引に髪の毛をもらい、鑑識で照合させた結果、トイレのスリッパに残っていた髪の毛は夕月のものと判明した。これで夕月はウソをつき、事件前に古谷のアイデアを目にしていた可能性がある。情報を受けた伊丹(川原和久)ら捜査一課は夕月と松永に任意同行を求め、取り調べを開始する。
しかし、夕月はトイレに入ったことは認めたものの、古谷殺しに関しては全面否認。確かにトイレの壁のメモを見たからといって夕月が殺した証拠になるわけではないが…。
と、そんな話をしているところへ、鑑識課の米沢(六角精児)がやってきた。米沢は非公式なお話を、と言いつつ、トイレのスリッパについていた髪の毛はねつ造されものではないか、という。現場検証であれだけの証拠を鑑識の人間が見落とすはずがない、というのが彼の主張らしい。ということは…。実はすべては右京の仕業。以前、盗んでおいた夕月の髪の毛をトイレのスリッパにつけ、わざと薫に見つけさせたのだった。お手柄とはしゃいでいた自分がバカみたいだ。薫は右京に怒りをぶつける。
捜査一課の芹沢(山中たかシ)が取調べ中に松永に馬鹿にされたと怒りを爆発。松永に対し暴力を振るってしまった。たちまちその一件がマスコミに取り上げられ、伊丹らは捜査から外されることに。
一方、右京に対する怒りが収まらない薫だったが、当の右京はシレッと薫の前に姿を現すと、夕月と古谷の戸籍謄本を請求してほしいという。それが一体、事件とどう関係するのか…?
相棒Season03 第5話「女優~後編~」
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第06話「第三の男」
2004年12月1日放送
特命係に陣川警部補(原田龍二)が新たに配属された。はりきっているところを見ると、どうやら上司から特命係がどういう部署か知らされていないらしい。右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)から事実を知らされると…。
その夜、ヤケ酒をあおる陣川は、もともと経理担当だったが、事件捜査がしたいと密かに指名手配犯を追っていたが、その結果2度も誤認逮捕。それが原因で特命係に“島流し”にされたらしい。
翌日、何事もなかったように陣川は、アベック宝石強盗の手配書を手に登庁してきた。防犯カメラに捕えられた容疑者の女性とよく似た女が、陣川の部屋の向いのマンションに引っ越してきたという。2度も誤認逮捕をしているのにまだ懲りないのか。あきれて物も言えない薫をよそに、陣川は3度目の正直、間違いないと言い張る。
どうせ他に事件もないし…。右京の一言で3人は陣川の部屋から女性・ハル子(遠藤久美子)の部屋をのぞき見。が、彼女が犯人かどうか見た目だけではわからない。もし犯人なら仲間と連絡を取り合うはずだ。右京はしばらく様子を見ようと提案、本格的な張り込みを始めることになる。 「張り込みか……」。
決意を新たにする陣川に薫は頭を抱えて…。
はしゃぐ陣川と不快感を露にする薫、そして冷静な右京と奇妙な3人は張り込みを開始。と、ある夜、ハル子のマンションの入り口付近で無線機を付けた不審な男を発見する。右京が外へ出ると男はすでにいなくなっていたが、沢山の吸殻が。ハル子の動きを見張っていたのだろうか?
陣川がハル子は犯人ではない、自分の勘違いだ、と言い出した。
「悪いことをする娘には見えません!」。
やれやれ、今度は余計な思い入れを…。薫があきれていると、ハル子は学校帰りに怪しげな男の高級車に乗り込むとどこかへと消えてしまった。約2時間後、バイト先に現れたハル子だが、男とどこへ行き、何をしていたのかわからない。ひょっとして彼氏か。そんな推測にどこかショックを受けたような陣川を、薫は注意するが、バカにしたような薫の態度に陣川は逆ギレ。ムキになってハル子の指紋を採ろうとする。
陣川と客を装い居酒屋へ入った薫は、ハル子の前でわざとネコの写真を落とし、拾わせる。これで無事、指紋を採取。作業完了、のはずだったが、ネコの名前を聞くハル子と陣川が受け答えをしてしまい、さらには客にからまれたハル子を陣川が助けるなど、陣川は彼女の印象に残るような行動をとってしまう。そんな陣川の行動に薫の怒りは頂点に。逆に陣川も事件から降りると言い出すが、言い出しっぺの陣川を降ろすわけにはいかない、と薫は強引に引き止める。
留守中ハル子の部屋を物色する不審な男が現れた。どうやら以前右京がマンション前で見かけた男と同一人物らしい。その日は自転車に乗って逃げた男を取り逃がすが、別の日ハル子が捨てたゴミを拾う男を拘束。男はマンションのオーナーの息子で、合鍵を使い女性の部屋に入っては下着を物色していたという。さらには盗聴、捨てたゴミまで。男の部屋調べると血のついた男物の財布が出てきた。男によると、ハル子の捨てたゴミの中から出てきたという。やはりハル子は犯人だったのか…。ショックを受ける陣川だが、事実は意外な方向へと展開していく。
相棒Season03 第6話「第三の男」
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第07話「夢を喰う女」
2004年12月8日放送
薫(寺脇康文)が捜査一課の伊丹(川原和久)と三浦(大谷亮介)に呼び出された。元大蔵事務次官を殺した容疑者・知念(飯田孝男)を取り調べて欲しいという。“落とし”の亀山巡査部長、と持ち上げられた薫はすっかりその気に。さっそく知念の前に座り、調書をとり始めるが、知念は事件とは無関係な身の上話を延々と始めて…。
取調室にやってきた右京(水谷豊)は知念を帰すと、実は知念は自首マニアで単に話をしたいがために来ただけだという。ここで薫は自分が伊丹らにハメられたことを悟って…。
一流企業常務・八尾(飯塚正臣)の刺殺体が発見された。近くには表紙と中身が真っ白な本が捨てられているなど、先の大蔵事務次官殺しと状況がよく似ている。同一犯による連続殺人の可能性もある。右京と薫は鑑識の米沢(六角精児)からこっそり被害者2人の所持品リストを入手。そこから2人のつながりを洗おうとする。と、中からとある図書館の図書カードが出てきた…。
図書館を訪ねた右京と薫は、司書のめぐみ(高岡早紀)から2人が自伝を書こうとしていたことを知らされる。めぐみによると、定年後の60代の男性を中心に自分史を執筆、自費出版するケースが増えているという。
薫は捜査一課の芹沢(山中たかシ)から、被害者2人がともに一千万円近い金を何者かに渡していた、という事実をつかむ。家族も何のために使ったのか見当もつかないという。
右京が図書館でめぐみを窺っていると、例の知念が現れた。右京が座る席を示して、そこは大滝(伊藤初雄)の席だという。どうやら毎日来る常連の席が決まっているらしい。席を大滝に譲った右京はめぐみが60代の男性と親密そうに話しているのを目撃。めぐみを尾行すると、2人は高級レストランで食事。めぐみは男の話を興味深そうに聞きながらメモをとるなどして…。
男が大手商社の元常務・清水(浜田晃)であることをつかんだ右京と薫は、身分を装い清水が自分史を出版しようとしている事実を引き出す。知り合いの女性に口述筆記をしてもらっているとか。めぐみに確認すると、清水の自分史作りに協力していることをあっさり認めると、殺された2人の自分史作りにも同様に協力していたという。さらに自費出版の費用などで2人から大金を受け取っていたとも…。
めぐみが容疑者として急浮上するが、彼女が2人を殺す動機もなければ、事件当日は清水と一緒だったとアリバイも完璧だ。
捜査が行き詰まりを見せる中、右京はめぐみが大滝や司書仲間の佐伯(大石継太)らからも好意を寄せられていたらしいことを感じ取る。佐伯が清水と話すめぐみを見る目からは嫉妬の色がありありだ。
そんな折り、知念が血のついたナイフを手に自首してきて…。
相棒Season03 第7話「夢を喰う女」
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第08話「誘拐協奏曲」
2004年12月15日放送
通販会社のイメージキャラクターが無断で使用されているとの訴えを受け、右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)はその通販会社へ。今井社長(尾藤イサオ)に問題のサイトを見せてもらうと、確かに著作権法違反の疑いがある。被害届など説明しようとすると、秘書の野呂(徳井優)がやってきて、先代の前田社長(渡辺哲)を誘拐した、という電話が入ったという。
自分たちがいるのだから、と電話をスピーカーに切り替え、右京らも犯人の声を聞くことに。するとボイスチェンジャーで変えられた声が響いてきた。
「前田社長を誘拐した。ビルを見張っている、誰かがビルに入れば警察とみなし人質の命はない。要求は5億円…」。
法外な身代金に愕然とする今井だが、前田は7年前に失踪。ついさっき法的に死亡が認められ、遺産を妻の房江(深浦加奈子)が相続したという。今日死んだ人間が誘拐された?今井ら幹部はイタズラかも、と疑うが、まだ社内にいた房江は「主人の命を第一に」と特殊班係への通報も拒否。右京もイタズラかどうか判明してからに、という。
7年前、前田は今井と井勢谷常務(浅野和之)の3人で新しい配送センターの建設候補地へ下見に出かけた帰り、そのまま行方がわからなくなったという。失踪直前に行われた創業記念パーティーの写真を見ながら、右京らは事情を聞くが、今井によると会社も順調。創業者でもある前田はかなりワンマンだったらしく、失踪の原因が会社にあったとは思えないという。前田の失踪後、当時常務だった今井が社長に、当時経理課長の井勢谷が常務に大抜擢されたが、専務の本間(河西健司)は当時と変わらず今も専務だという。そして、秘書の野呂は前田の失踪後、リストラされたところを今井に拾われて入社したらしい。
現時点で社長が失踪したことで得をしたのは、社長に就任した今井、課長から常務になった井勢谷、そして採用された野呂、ということになる。それにしても失踪といい、誘拐といい、謎だらけだ…。
犯人から二度目の電話が入り、前田社長が声を聞かせた。これでイタズラでないことが判明。仕方なく5億円を用意することになるが、それだけの融資を受けるには株主の承認が必要になる。しかし、それでは犯人が指定した時間に間に合わない。すったもんだしているところに、タイミング良く犯人から電話が。今井が、銀行から融資を受けなければならないこと、そのために筆頭株主の許可を取らせてほしいこと、を犯人に告げると、意外にも犯人はあっさりOK。それにしてもなぜ犯人は3回目の電話をかけてきたのか。まるでこちらの様子がわかっているような…。そんな右京の言葉に今井らは騒然となる。
筆頭株主の妙子(牛尾田恭代)がやってきた。妙子は最初「5億もの散財は困る」と渋るが、周囲の説得に渋々承諾。とりあえず自社の役員たちと相談するという。どうやら身代金は用意できそうだ。ホッと胸をなでおろす薫に今井は怒りを爆発させる。実は妙子は前田の愛人。スキャンダルになりかけたところを今井は必死で隠したらしい。それで房江と妙子の間に微妙な空気が流れていたのか…。
妙子が自社の役員たちの許可をとりつけて戻ってきた。と、そこへ犯人から電話が。なんと犯人は現金5億円をすべて海に捨てろという。なぜ、そんなことを!?
相棒Season03 第8話「誘拐協奏曲」
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第09話「潜入捜査~私の彼を探して!」
2005年1月5日放送
右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、小野田(岸部一徳)の個人的な依頼で急成長のITベンチャー企業で潜入捜査をすることになった。若手社長の北潟(保坂尚輝)に過激派を金銭面で援助しているという容疑が持ち上がり、公安が刑事を社員として潜入させていたが、1カ月ほど前から消息不明になってしまったという。偽名を森本(小林高鹿)というその男に一体何が起こったのか。非公式で調べて欲しいという小野田の半ば強引な依頼を断りきれず、右京は警備員として、薫は設備管理員として北潟の会社に潜入する。
深夜、巡回中の右京が細工したことで、社長室の蛍光灯が付かなくなった。さっそく薫が社長室へ。それとなく周囲を伺いながら作業を続ける薫。すると、北潟宛てに差出人が森本となった小包が届けられた。そして中には切断された左腕が…。
鑑識の調べで左腕が森本のものと判明した。一方、右京は深夜の巡回を利用して、森本と付き合っていたと噂される聡子(吉野きみか)のデスクを調べる。すると、引き出しの中から「from T.M with love」と刻印がある指輪が出てきた。
T.Mは森本達也のイニシャルだ。やはり森本と聡子は恋仲だったのか。確信する薫に右京は、本当に愛する人に偽名のイニシャルを刻んだ指輪など贈るだろうか、と疑問を口にする。しかも会社の引き出しに入れっぱなしにするのも不自然だ…。
しかし、聡子と接触した薫は聡子が森本を嫌っていたとは思えない。ナンパを装い改めて聡子に接近、カラオケデートに成功する。聡子が歌っていると、バッグの中で聡子の携帯が鳴った。目ざとく気づいた薫は発信者に「森本達也」とあるのを確認。やはり森本は生きているのか。薫はカラオケ店を出ると、別れるふりをして聡子を尾行、確認しようとするが、意外にも聡子は誰にも会わず自宅マンションへ帰ってしまった。拍子抜けした薫だが、森本は聡子の部屋で待っていた可能性もある。が、森本の携帯から電話が入ったというだけで、森本が生きているという確証はない。右京に報告しながら、さまざまな可能性を探っていると、角田課長(山西惇)が左腕のない黒焦げ死体を釣り上げたと部屋に入ってきた。
左腕がない、ということは森本の遺体か。が、昨夜、森本の携帯から聡子に電話が入ったことは間違いない。右京と薫は聡子の部屋を訪ねることにする。
昨夜の尾行に従い聡子のマンションへとやってきた右京と薫だが、郵便受けに聡子の名前がない。昨夜確認したはずなのに…。薫はしきりに首をかしげるが、どうやら何者かに尾行をかぎつけられ、薫をまくために郵便受けなどに細工をしたらしい。森本は公安の刑事。仮に森本が聡子を呼び出すとしたら、かなり慎重になるはずだ。薫の尾行などいとも簡単に気づき、逃れる手段を聡子に指示した可能性もある。
黒焦げの死体が森本のものと判明した。しかも死後2日は経過しているという。ということは、聡子に接触してきたのは森本ではないことになる。では、いったい誰が…!?いずれにしても聡子に直接確認する必要がある。右京は深夜の巡回を装い、社員のデスクにあった社員名簿から聡子の住所を調べようとする。
と、そのとき北潟が突然入ってきた。あわてて巡回とごまかす右京だが、規定の時間ではない。不審を抱いた北潟に問い詰められた右京は苦境に立たされる…。
相棒Season03 第9話「潜入捜査」新春2時間スペシャル
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第10話「ゴースト~殺意のワイン」
2005年1月12日放送
ある日、右京(水谷豊)はふと立ち寄った書店で女性から広い支持を集めている女流作家・沢村映子(筒井真理子)のサイン会に巻き込まれてしまう。丁寧に説明したはずなのに、名前を右京ではなく左京と書かれてしまう。小さく溜息をついていると、映子の担当らしい編集者が何やら話している声が聞こえてくる。 「先生、今日は輝いているわねえ」。
「スポットライトが好きな人だから」。
輝いている、と言った女性に対し、男性の言葉はどこかトゲがあるように聞こえたが…。
映子の夫・三原健夫(西ノ園達大)が自殺した。新聞記事を見た右京は健夫がサイン会のときにいた男性だと確認。しかも、そのサイン会で買った本「愛の果て」は恋人に自殺された女性を描いたものだ。
2日後、とある女性誌に映子の手記が掲載された。右京は健夫の遺書にあった「出逢う」という言葉に目を留める。映子の小説では「出合う」が使われているが、健夫の遺書、そして映子の著書で「第三の女」だけが「出逢う」を使っている。その「第三の女」はまるで違う人物が書いたのでは、と思わせるほど、他の作品に比べ魅力がない。さらに本来なら「召し上がって」と使うはずの敬語も「いただいて」と間違っている。この一致は何を意味するのか…。
右京は薫(寺脇康文)を伴い、再びファンを装って映子に接近する。そこで右京は思い切って「第三の女」は健夫さんが書いたのでは?と映子に聞く。映子の担当編集者でサイン会のときに健夫と一緒にいた育恵(春木みさよ)はカンカン。映子も軽くあしらいつつ否定するが、右京らにケーキをすすめるとき、「遠慮なくいただいて」という言葉を使う。
映子が「第三の女」に見られた文法的な間違いを犯した。ということは、「第三の女」を書いたのが映子だったのではないか。右京らは映子のデビュー前の作品を調べ、その中で「出逢う」という言葉が使われていることをつかむ。デビュー前の作品は映子が書いたことは間違いない。映子が書いたのは「第三の女」だけで、それ以外はゴーストライターが書いたのではないか。さらに遺書も映子が…。だとしたら、偽装自殺ということになるが。
右京らは出版社の高木社長(片岡弘貢)から、映子が健夫を見初めて結婚したことを知らされる。ここでも右京は「第三の女」以外はゴーストライターが書いたのでは、とぶつけてみるが、高木は強硬に否定。逆タマに乗った健夫がそんなことをする必要がない、という。また、育恵は映子のデビューから担当編集者として仕事をしてきたが、なぜか「第三の女」のときだけ、映子の指名で健夫が担当になったという。
右京と薫は今度は刑事として映子と接触。アリバイを聞くなど映子を追いつめるような質問をするが、駆けつけた育恵が懸命に映子を守る。そんな2人の胸には同じようなネックレスが…。
数日後、右京と薫は書店で映子の本を並べる育恵を訪ね、ゴーストライターが育恵だとズバリ言い切る。否定しようとする育恵だったが、右京に畳み掛けられついには降参。9年前、まだアルバイトだった育恵は高木社長に才能を見出され、見た目のいい映子と組んで小説を書くよう勧められたという。が、処女作の途中からすべてが育恵の文章になり、以降、育恵がゴーストをやるようになったらしい。はた目には不幸な育恵だが、本人は自分の言葉が出版されるだけで幸せだという。
薫が健夫の遺書も育恵が書いたのでは、と疑問を持ち始めた。だとしたら、「出合う」と書いている育恵が「出逢う」を使うはずがない。が、右京はそのトリックをあっさりと見抜いた。育恵が映子を奪った健夫を殺し、遺書を書いたと推理するが…。
相棒Season03 第10話「ゴースト」
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第11話「ありふれた殺人~時効成立後に真犯人自首!?」
2005年1月19日放送
路上で寝ている男を注意した薫(寺脇康文)は、その男から20年前に人を殺した、と突然告白される。小見山(信太昌之)というその男は、20年前、当時高校生だった坪井里子(小林千恵)を殺害。事件は5年前に時効が成立、民事の時効も1カ月前に成立していた。その小見山がなぜ今ごろ自首したのか。右京(水谷豊)や薫に問い詰められた小見山は、誰かに狙われている、というだけで…。
伊丹(川原和久)ら捜査一課の取り調べに対しても「誰かが自分を殺そうとしている」と脅えるだけで取り付く島がない。が、その一方で遺族に謝罪する気はまったくないらしい。結局、「俺はもう罪人じゃない」とうそぶく小見山は、怒る薫をよそにさっさと署から出て行ってしまう。 薫は右京に誘われるように20年前の里子殺害事件を改めて調べることに。当時担当だった港(清郷流号)によると、里子に目立ったトラブルがなかったことが逆に捜査を難航させたとか。その港にとっては刑事になるきっかけになった事件だという。
里子の父・貞一(上田耕一)が特命係にやってきた。里子を殺した犯人を教えて欲しいという。どうやら小見山が自首したという報道を見たらしいが、当然復讐を防ぐため教えるわけにはいかない。里子を殺されたショックに貞一の妻・幸子(吉村実子)は手首を切り自殺未遂までしたという。そんな苦しい胸の内を語る貞一に、同情する薫は唇を噛む。
小見山が何者かに殺害された。遺体の状況から手口が20年前の里子の殺し方と酷似していることがわかる。ということは、里子の両親が復讐殺人を?だとしたら、どうやって小見山が犯人だったということを知ったのか…。
小見山が殺される直前、薫が貞一夫婦の自宅を訪ねていたことが判明した。が、さすがに自重した薫は家の前まで行ったものの、貞一らとは会わずに引き返したという。とはいうものの、時間的には薫から小見山の名前を聞いた貞一らが恨みを晴らすことは可能だ。さすがの薫も一言もない。
小見山殺害が薫の責任ではないことを証明するには、貞一らが犯人でないことを証明するしかない。右京は落ち込む薫を元気付け、小見山を殺害した犯人を探すことに。
小見山が殺された現場からは2つの他人の指紋が検出されていた。一つは犯人のものに違いないが、もう一つは…。右京らは小見山の隣室に住む鈴木(正名僕蔵)という男の証言で、事件直前小見山が中年の男と言い争っていたことをつかむ。その男が怪しいが…。
相棒Season03 第11話ありふれた殺人」
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第12話「予告殺人~狙われた美人姉妹の謎」
2005年1月26日放送
捜査一課の要請を受け、薫(寺脇康文)は犯罪被害者の集いの見学へ。姉をストーカーに殺された愛(一戸奈未)が臨床心理士の堀(樋口浩二)から発言を促されるが、いまだにショックが大きく何も言えない。堀の説明によると、被害を訴えた警察からも相手にされず、殺害されたとき白昼にも関わらず誰も助けようとしなかったとか。会が終了した後、薫は堀に挨拶するが、強烈な嫌味を言われ…。
ヤマモトヒロミという人間を殺すという予告電話が警察に入った2日後、予告どおり山本弘己(山本東)という男性が殺害された。その前には同様の手口で伊藤洋子という女性が殺されている。このままでは第3、第4の犯行もありえる。イタズラ電話と放っておくわけにはいかなくなった警察は記者会見を開くが、あまりの無策ぶりにマスコミから激しい非難を浴びてしまう。
その犯人と名乗る男から美和子(鈴木砂羽)を名指しで電話が入った。山本殺害の状況を詳しく話すところをみると、どうやら本物の犯人らしい。そして今度は都内に住むサイトウアイという人間を3日以内に殺すという。「今度は助けられるかな?」と挑戦的な犯人に、美和子は右京(水谷豊)の指示に従いイタズラ電話と区別するためのキーワードを教えろという。そんな美和子に犯人は「キングチャイルド」と名乗るが…。
さっそく美和子は捜査一課の24時間監視体制のもと、犯人からの電話を待つことに。それにしてもなぜ犯人は美和子を指名してきたのか。これまでの被害者もまったく関わりがないし、「キングチャイルド」という言葉に思い当たることもない。しかし、捜査のきっかけすらつかめない伊丹(川原和久)らは、犯人との接点があるはず、と美和子にここ数カ月の行動を書き出せる。
深夜1時ごろ、キングチャイルドから美和子に電話が入った。予定より1日早く殺人を実行に移すという。美和子は指示に従い懸命に時間を引き延ばしたおかげで逆探知に成功。発信元とされる都内の公衆電話へと急行するが、すでにキングチャイルドは逃げたあとだった。周囲を捜索したものの、近くでタクシー止まっていただけ。中にいた運転手は仮眠をとっていたため、何も見なかったという。
翌朝早く、薫がカウンセリングで目にした佐藤愛が何者かに襲われる事件が発生した。幸い怪我だけですんだが、確か美和子は「サイトウアイ」と言っていたはず。絶対「サイトウアイ」と言っていたと言い張る美和子だが、そのときは電話の録音もされておらず証拠はない。落ち込む美和子に右京は、愛を狙う犯人の罠かも、という。
伊丹らは愛から目撃証言を得ようとするが、カウンセラーの堀は愛と会わそうとしない。薫は花束を手に見舞いかたがた愛から話を聞こうとするが、結局伊丹とケンカになってしまい何もできない。堀は警察からの謝罪もなく、愛が警察に協力できるはずがない、と言い放つ。
キングチャイルドから電話が入った。「サトウ」と「サイトウ」。聞き間違ったのか、言い違えたのか、美和子は言い争いをするが、突然キレたキングチャイルドは「お前の間違いだ!」と大声を張り上げる。思わず黙ってしまった美和子にキングチャイルドは「タナカクミコ」を殺害すると予告する。右京はそんな2人のやりとりから、キングチャイルドは美和子を陥れるためにわざと「サトウ」を「サイトウ」と言ったのでは、と推理。キングチャイルドは美和子を恨んでいるはずだというか、当の美和子に思い当たることがない。
「タナカクミコ」殺害まで時間がない。愛から花束のお礼メールを受け取っていた薫は、なんとか愛の心を開き、目撃証言を得ようとするが、愛は「みんな思い知ればいいのよ」と冷たく言い放つ。
このままでは「タナカクミコ」が殺されるのを待つしかない。万策尽きた薫は、改めて愛を訪ね心を開こうとするが…。
相棒Season03 第12話「予告殺人」
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第13話「警官殺し~銃に残された赤い指紋」
2005年2月2日放送
勤勉な勤務態度で近隣住民からも信頼を得ていた交番勤務の長谷川巡査(江藤潤)が、トカレフで腹部を撃たれ殉職した。事件を聞いた右京(水谷豊)は、犯人が凶器を現場に残していったことに疑問を抱く。鑑識の米沢(六角精児)よると、トカレフに指紋はなかったとのこと。犯人は手袋をしていたか、指紋を拭き取ったか…。さらに右京は引金に糸くずがついていたことを聞き、疑問を抱き…。
犯行があったころ、現場近くで前科があり、長谷川に逮捕されたことがある阿部(武野功雄)が目撃されていた。さらに3日前、長谷川は阿部に職務質問していたことも判明。そのとき阿部はなぜか逃亡、梅乃(披岸喜美子)にぶつかり、転倒した梅乃は病院で死亡したらしい。捜査一課では過失致死の疑いで阿部の行方を追う。
ひとり米沢と事件を調べていた右京は、銃がかなりの至近距離から発射されていた証拠を見せられる。右京はまた何やら考えて…。
美和子(鈴木砂羽)から阿部が容疑者として浮上していることを聞かされた薫(寺脇康文)は不審を抱く。阿部は確か長谷川の葬儀に顔を出していたが、容疑者が被害者の葬儀に来るだろうか。
長谷川は威嚇射撃をした銃を手にしたまま死亡、弾丸は地面にめり込んでいたという。米沢から話を聞いた右京はさらに疑問を深める。近くにいた犯人に対し、銃を下に向けて威嚇などするだろうか。
右京と薫、ともに事件に疑問を抱いた2人は、例によって勝手に捜査に乗り出す。長谷川の上司だった茶畑(山崎清介)によると、名前を名乗らない男から通報があったらしい。また、梅乃が倒されたとき、長谷川は追跡をやめて梅乃を介抱したとか。その後も梅乃にずっと付き添うなど、いかにも住民に慕われた長谷川らしい。目撃者の話によると、長谷川はしきりに梅乃に謝っていたという。
美和子のもとに梅乃の遺族がやってきた。長谷川が詫びの手紙を添えて通帳と印鑑を送ってきたという。遺族から記事にして欲しいと言われた美和子はまずは薫に報告。なかなかの美談だが、手紙を見た右京は「まるで遺書のようです」と言う。
阿部が逮捕された。過失致死から長谷川殺しの容疑者として扱われる中、右京らは阿部と接見。阿部は自らを逮捕した長谷川を恨むどころか、その後もまともに扱ってくれたのは長谷川だけ、と絶大な信頼を寄せていた。事件を目撃し、通報してきたのも実は阿部。しかし、阿部が見たときには犯人は長谷川を撃って逃亡したあと、長谷川は苦しみながら銃を地面に撃って倒れたという。
やはり威嚇射撃ではなかった。右京は再び茶畑を訪ねると、長谷川は自殺だったのでは?と大胆な持論を明らかにする。ならば、その動機は?
相棒Season03 第13話「警官殺し」
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第14話「薔薇と口紅~名門殺人学園の美女」
2005年2月16日放送
薫(寺脇康文)が、偶然とある健康ランドで覚せい剤取引の現場をおさえた。とはいうものの、手柄は生活安全部の角田課長(山西惇)へ。腐る薫が例によって右京(水谷豊)からイヤミ半分たしなめられていると、鑑識の米沢(六画精児)がやってきた。なにやら川から男のくせに真っ赤な口紅を塗った水死体が発見されたという。興味を抱いた右京と薫は、鑑識課で詳しい話を聞くことに。
遺体の身元は江川(近藤公園)という住所不定、無職の男。後頭部に傷はあったが、肺から淡水プランクトンが検出されたことから死因は水死で間違いないらしい。それにしてもなぜ化粧をしていたのか。遺体の内ポケットから「口紅三本、ファンデーション四箱」と書かれた紙片が発見されていたが、それを手にした右京は紙片に聖ジュリア女学院の校章の透かしがあることを発見して…。
さっそく右京と薫は、名門として有名な聖ジュリア女学院の校長・綾子(涼風真世)と面会する。綾子は紙片を確認、同校の生徒手帳であることを認めるが、「人の命を奪うような生徒は断じて存在しません」と言い放つ。そんな綾子の強い意志に、右京は綾子の祖父でシェークスピアの研究家でもあった創立者・龍ケ崎善造が提唱した創立精神を口にする。善造を記念して同校では創立記念日にシェークスピアの戯曲を必ず上演しているという。そんな右京の造詣の深さに感激した綾子は、喜んで綾子の父が作ったというバラ園を案内する。右京はそこで綾子の父が創立50周年に植えたという記念樹への綾子の深い愛情を知る。
遺体が発見された地点は、満潮時には東京湾の海水が上がってくることがわかった。死亡推定時刻はちょうど満潮時。なのになぜ淡水プランクトンしか検出されなかったのか。右京らが改めて疑問を感じていると、野田(小路勇介)という男が容疑者として逮捕された。捜査一課では、野田が江川から借りた300万円の返済を迫られ殺した、と見ているらしいが、右京は無職の江川が300万円という大金を貸した事実に疑問を抱く。
江川がつけていた口紅が演劇用の化粧品であることが判明した。前回、聖ジュリア女学院を訪ねたとき、偶然演劇部の久美子(水谷妃里)がたばこを吸っていたのを見ていた薫は、同校の演劇部に不審を抱く。同校の演劇部のノートを調べた右京らは、事件前日に「口紅三本、ファンデーション四箱」と書かれているのを発見する。しかも、書かれている文字はあの紙片と同じ筆跡…。
右京と薫は、落とした生徒手帳を見つけたと久美子から話を聞く。久美子は江川が持っていた紙片の文字は自分のものと認めたが、江川との関係は否定。気づいたときに、そのページだけ何者かに破られていたという。綾子と仲がいい久美子は嫉妬の対象になっているらしい。が、生徒手帳を拾ったというのは右京らのウソ。怒った久美子は今の証言もすべてウソだったと吐き捨てる。
化粧品のメーカーが演劇ノートにあった注文を受けていないことが判明した。そんな事実を知らされた綾子は久美子が部費を横領していたことを認めるが、久美子も江川と援助交際をしていた事実を告白。しかし、その後の調べで事件に覚せい剤取引が絡んでいる可能性があることがわかり、意外な方向へと展開していく…。
相棒Season03 第14話「薔薇と口紅」
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第15話「殺しのピアノ」
2005年2月23日放送
深夜のコンサートホール。調律師の幸田(吹越満)が、舞台の上で有名ピアニストの柴(京晋佑)をチューニングハンマーで殺害した。ピアノに散った血痕を拭き取り、守衛が居眠りする守衛室を避け、エントランスから外へ出ると遺体を柴の自宅近くへと運び・・・。
翌朝、柴の遺体が自宅近くの崖下から発見された。別居中の妻・悦子(矢代朝子)の話によると、柴が深夜に散歩することはよくあること。事件当夜も深夜1時に柴の携帯から電話があったという。
崖からの転落死かと思われたが、珍しい凶器による傷が発見されたことから他殺と断定。捜査会議では柴が携帯電話をかけたことが話題に出るが、その携帯電話が見つからないらしい。と、そこまで話が及ぶと、右京(水谷豊)は部屋を出て・・・。
右京は事件現場へ行ったに違いない。薫(寺脇康文)がコンサートホールへ行くと、ちょうど柴の代役が決まったところ。その準備に追われ支配人の岩槻(大林丈史)から相手にしてもらえない。その岩槻が幸田にピアノの調律を改めて指示していたその時、ステージからピアノの音が。右京だった。
新たな奏者のためにピアノ調律し直すという幸田に、見学したいという右京だが、須お越しの雑音でも気になるからと断られる。そんな右京に対して幸田は、事件当夜コンサートホールにいたが、朝の4時まで一人で柴用に調律していたという。明らかに幸田を疑っている右京に、薫はホールを出てから確かめると、なぜ朝の4時に調律が終わってから今まで帰らずにいたのか。まるで代役が決まり、調律し直すことがわかっていたかのように・・・、と疑問を口にする。
岩槻によると、幸田に調律を任せたのは柴ではなく、岩槻だという。業界では腕がいいと有名な幸田を岩槻はホールの専属チューナーに招いていた。
一人調律を始めている幸田の前に現れた右京は、興味深そうに幸田の仕事ぶりを見学すると、矢継ぎ早に質問を浴びせる。が、すべて調律に関するものばかり。そんな右京のノラリクラリとする質問に苛立ちを覚えた幸田は、次第に追いつめられていく。
別れ際、どうしてもピアノが弾きたい、という右京は、幸田に事情を話しピアノを弾かせてもらうことに。が、幸田は右京の演奏を半ば強引にやめさせる。鍵盤側面の木目に血痕が残っていたのを見つけたためだ。幸田のあまりの剣幕に驚く薫と岩槻。右京は仕方なく薫とともにホールを出るが、実は血痕があることは知っていた。すべては幸田の動揺を誘うためで・・・。
一人になった幸田は懸命に血痕を拭き取ると、いよいよ調律を始める。が、そこへ薫が現れると、何をするでもなく客席を歩き回り始めた。目的も聞いても答えない薫に苛立ちを募らせる幸田。ふと見ると、客席に携帯電話がある。きっとなくなったという柴の携帯電話だ。あれがここにあることがわかっては自分が犯人だとわかってしまう。幸田は薫に悟られないように携帯に近づくと、なんとか先に確保することに成功する。と、そこへ右京が現れると、なんと自分の携帯電話を探していたという。仕方なく隠していた携帯電話を差し出す幸田。試されていることを知り、唇をかむ。
仕掛けた罠に幸田がかかったことに喜ぶ右京と薫。鑑識の米沢(六角精児)を呼び寄せるとルミノール反応を調べ、一気に自供へと追い込もうとするが・・・。
相棒Season03 第15話「殺しのピアノ」
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第16話「人間爆弾」
2005年3月2日放送
右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)が捜査一課の伊丹(川原和久)に呼び出された。爆弾を武器に現金輸送車を襲った犯人が2人を指名したらしい。というのも、犯人はかつて薫が面倒をみてやった栄一(マギー)。借金の取り立て屋という危ない仕事から足を洗い、彼女と結婚。北海道で幸せに暮らしているはずの彼がなぜ? そんな疑問を抱く薫に栄一は、何者かに爆弾を身体につけられ現金輸送車を襲わなければ爆発させる、と脅されたのだという。どうやら真犯人はそんな栄一をCCDカメラで見張っているらしく下手な動きをすると爆弾が爆発しかねない。
薫は爆弾処理班から「背後からなら接近できるかも」という意見を聞き、右京らの静止を振り切り処理班とともに栄一の背後へ。懸命に爆弾が入ったベストをカッターで切り裂き、なんとか栄一と現金を守り抜く。 解放された栄一は、東京で地元の名産を使ったイベントをやるために上京。同僚とデパートを回って契約をまとめた後、一旦別れて別行動になった途端、何者かにスタンガンで襲われたという。そして気が付いたら爆弾付きのベストを着せられていて・・・。
伊丹らは栄一の前科を持ち出し、自作自演ではないかと疑いを・・・。しかし、右京も薫も、そして駆けつけた栄一の同僚・塩塚(菅原大吉)も「馬鹿馬鹿しい」と笑い飛ばす。
なんとか解放された栄一は子供ができたと薫に報告。その子の名前を薫の字をとって薫子にしたとか。そう言われた薫もまんざらではない。幸せそうな栄一を見る限り、やはり彼が犯人とは思えないが・・・。
CCDカメラの電波は遠くへは飛ばせないことから、犯人が現場近くにいた可能性は高い。右京らは鑑識の米沢(六角精児)に現場写真を改めてチェックする。すると、栄一が以前取り立てをしたことがある女性を写真から見つけて・・・。
右京らはさっそくその女性・ミオ(三鴨絵里子)から話を聞くが、栄一のことは未だに恨んではいるものの、たまたま通り掛かっただけだという。
そんな折り、第二の爆弾強盗事件が発生した。今回、爆弾を付けられたのは長橋(山崎大輔)という広告代理店の部長。長橋は犯人の要求どおりに銀行から金を奪うと、とあるビルへ入り、やはり犯人の言うままに階段を使って屋上へ。そしてビルの裏にある駐車場へと金が入ったカバンを投げると、ヘルメットをかぶった男がカバンを奪ってバイクで逃走していき・・・。
栄一と長橋は見ず知らずの他人。やはり犯人は無差別に男を選んでいるように見えたが、右京は犯人が長橋をエレベーターではなく階段で屋上へ向わせ、なおかつあざ笑う言動をしていることに着目。犯人は長橋に対して恨みを、と考える。
そして、改めて長橋の周辺を洗い始めると・・・。
相棒Season03 第16話「人間爆弾」
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第17話「書き直す女」
2005年3月9日放送
知り合いのゲイバーのママ・ヒロコ(深沢敦)に誘われ、右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は芝居見物へ。帰り際、ヒロコは店の常連というプロデューサーの川島(市川勇)に頼み、女優のななみ(高畑淳子)の楽屋へ。サインをもらっていると、電話が入り、今回の舞台の脚本を書いた劇作家の武(中丸新将)が自室で何者かに殺されたという。
死因はナイフで刺されたことによる失血死。出前の寿司桶を下げに来たときに武の遺体を発見した寿司屋の話では、出前の寿司を届けたのは午後3時ごろ。そのときには部屋に武はいたという。死亡推定時刻が午後3時から4時の間ということは、届けられた寿司を食べた後に殺されたことになる。しかし、右京は湯飲みが使われていないことに疑問を抱く。武は寿司を食べたというのにお茶を飲まなかったのだろうか。そのとき、突然耳をつんざくような工事の音が・・・。下の部屋がリフォームをしているらしい。
川島に話を聞いた右京らは、武は殺される直前、川島と電話で話していたことを知らされる。電話で武はセリフを勝手に変えるななみに怒りを露にしていたという。
「今度セリフをいじったら、殺してやる」。
武はこんなことまで言っていたらしい。
右京らは付き人に弁当の寿司の文句を言っているななみの部屋へ。嫌いなサバが入っているのが気に入らないらしい。だが付き人によると、前日はそのサバを食べていたというが・・・。そんなやりとりを聞きながら、右京は武との不仲について質問する。ななみは自分を疑うのか、と気色ばむが、武が殺されたころはリハーサルの真っ最中。劇場がから片道1時間はかかる武のマンションへ行けるはずがない。右京らの説明にホッと胸をなで下ろしたななみは、改めて武の書いたセリフを批判する。
事件のあったころ、武の部屋の周辺にいたのは寿司屋のみ。一課では寿司屋が犯人と捜査を進めるが、鑑識の米沢(六角精児)は武の胃からウニとアワビが検出されなかったと報告する。特上の寿司にウニとアワビがなかったとは考えづらい。右京は不審を抱きながらも、米沢にサバが検出されたことを確認する。
右京らはななみを改めて訪ねると、事件当日スタッフに用意された弁当の寿司をいつ食べたのか質問する。確か付き人がサバを食べた、といっていた代物だ。すると、ななみは芝居の一幕と二幕の間の30分の休憩に一人で食べたという。ということは、その30分間はななみにもアリバイはないことになる。が、30分で武のマンションには行けないはずだが・・・。
右京と薫は弁当の寿司と特上の寿司を前に、何が入っているかを比べることに。その結果、特上にはウニとアワビが余計に入っていることがわかった。武の胃から検出されなかったウニとアワビだ。これは一体何を意味するのか? そして右京は、武が本当にマンションの自室にいたのかと疑問を口にする。
そして、寿司屋から改めて事情を聞いた2人は意外な事実を知らされて・・・。
相棒Season03 第17話「書き直す女」
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第18話「大統領の陰謀」
2005年3月16日放送
バスの中、前の席には死んだはずの浅倉(生瀬勝久)が座っている。
「俺は……殺していない。今度はちがう」。
薫(寺脇康文)にそう告げる浅倉は、そのまま立ち上がって去っていき・・・。
ある早朝、薫は不穏な夢で目を覚ました。殺人鬼と言われた浅倉が死んでもうすぐ1年。薫は美和子(鈴木砂羽)と墓参りへ行く約束をする。
トランク詰めの女性の遺体が発見され、容疑者として浅倉が浮上した。検察庁の検事でありながら売春婦ばかりを狙う連続殺人鬼として“平成の切り裂きジャック”と怖れられた浅倉。逮捕後、死刑が確定していたが、拘置所から脱走。その後、記憶を失いホームレスとなっていたところを逮捕されるが、当時の次長検事の指示で拘置所内で殺害されていた。
その浅倉が今回の被害者・静香(七森美江)を殺害したと思われるのは、最初の逮捕から脱走したあと。静香が行方不明になったころ、深夜キャスター付きのトランクを引いていく姿が複数の人間に目撃されている。 所轄の調べでは静香はクラブを経営。それ以前には高級コールクラブに所属していたらしい。確かに状況証拠だけを見れば、娼婦連続殺人事件を起こしたことのある浅倉が犯人である可能性が高い。しかし、当時浅倉は記憶喪失だったはず。そのころの浅倉は自分の犯した罪を心から悔いていたはずだ。そんな浅倉を知る薫には、とても浅倉が犯人とは思えない。そう右京(水谷豊)に訴えた薫は、2人で事件を調べることに・・・。
捜査一課の芹沢(山中たかシ)から資料を受け取った右京らは、ホームレスだった浅倉が暮らしていた河川敷へ。そこでは大統領と呼ばれる間島(きたろう)を中心に一種のコミュニティが形成されていた。ホームレス仲間で仕事をして蓄えた賃金を薬代や食費にあて、あとは自由に暮らす。浅倉もそんな彼らが言うところの“自由共和国の国民”だったのか、と思いきや、彼は仲間に入ろうとしなかったという。右京はふと目に入った「グラウンド建設断固反対」という看板について質問を。平本市長(新藤栄作)がホームレスの追い出しを目的の一つとして掲げた選挙公約だったらしいが、なぜか1年前から立ち退きの勧告が来なくなったという。 目撃者の証言から浅倉は河川敷近くの豪華ホテルからトランクを引いていたらしい。右京らはホテルに静香が宿泊していたか確認するが、そんな記録はないという。ただ当時は平本市長主催のパーティーが行われていた。コック長の話では、その日も大統領こと間島も残飯を引き取りに来ていたはずだという。
美和子の取材に付き添うという形で右京と薫は平本市長に接触。平本の妻・昌恵(藤吉久美子)の父は国会議員。養子に入った平本の目標は近く国会議員として出馬することだった。そんな平本への取材をしようとすると、なんと右京と薫は警察手帳を取り出して身分をばらしてしまう。怒った平本は3人を追い出すと、新聞社と警察に抗議する。
殺された静香の生前の生活が派手だったことがわかった。どうやら愛人がいたという噂も。さらに浅倉の遺品からホテル名が印刷された便箋に書かれた地図を発見する。まるでトランクを運ぶための指示書のようだ。どうやら浅倉は何者かに頼まれてトランクを運んだ可能性が高い。
そんな折り、大統領が土手の階段から転落して死亡した。警察は事故で片付けたらしいが、右京は彼が大切に首から下げていた大事にしているという袋がないことに気づく。他殺の疑いを強くした右京は、“国務長官”の藤(綾田俊樹)に浅倉は国民ではなかったのか、と改めて質問をすると、藤はそれを認めたうえ、意外な事実を明らかにする。
相棒Season03 第18話「大統領の陰謀」
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第19話「異形の寺」最終回90分スペシャル
2005年3月23日放送
深夜、薫(寺脇康文)は、自分から美和子(鈴木砂羽)を奪っていった鹿手袋(西村雅彦)からとある公園へと呼び出される。鹿手袋は美和子に結婚を申し込んだが、美和子の心から薫を追い出すことができず悩んでいるという。
あんたの亡霊に取り憑かれている、という鹿手袋の言葉にあきれていると、2人の前の池の向こう側に全裸の女性が立っているのが目に入る。グルッと池を回って女性のもとへ駆けつけた薫だったが、なぜかそこには誰もいない。池に落ちたのだろうか? 薫は近くに落ちていた魚の網で池を探ると、なんと髑髏(しゃれこうべ=頭蓋骨)がひっかかって・・・。ということは、薫らが目にした全裸の女性は・・・幽霊!?
翌日の捜査で池からは麻袋に入った頭蓋骨以外の人骨が発見される。どうやら頭蓋骨だけ袋が破れた部分から出てしまったらしい。鑑識の米沢(六角精児)によると、白骨死体は死後3年ほど。25から30歳の女性で全裸で袋詰めにされたようだという。
美和子が薫を訪ねてきた。鹿手袋との話が気になったらしい。薫が問いただすと、確かに鹿手袋からプロポーズされ、美和子もOKしたとか。が、美和子は条件として自分の心の中から薫を追い出して欲しい、と言ったという。薫の心境は複雑で・・・。
白骨死体の復顔像が完成すると、唐突に小野田(岸部一徳)が特命課にやって来て右京(水谷豊)に何やら耳打ちをする。なんでも、つい最近元法務大臣の瀬戸内(津川雅彦)と訪ねた寺にいた雀蓮(高橋由美子)という尼僧に復顔像がよく似ているという。
復顔像の一般公開に合わせるように右京と薫は雀蓮のいる寺へ。玄関に出てきた雀蓮を一目見た右京と薫は思わず息を飲む。まさしく復顔像に瓜二つだ。右京は雀蓮にそれとなく質問を。すると雀蓮は捨て子として育てられ両親の顔を知らないという。身内は双子の弟のみで、その弟も今は世界を放浪しているという。
右京と薫は寺の中の一室へと案内され、瀬戸内と知り合いだという庵主である蓮妙(高橋惠子)に話を聞くが「幽霊が抜け出したりしませんよ」というくらいで大きな手掛かりはつかめない。
帰り際、右京は警察の人間を前にしても復顔像の話題を一言も口にしない雀蓮に不審を抱く。「違和感を覚えます」という右京に対しても、雀蓮は考えすぎとふっと笑うだけだ。
山門を出る右京と薫の前に、捜査一課の伊丹(川原和久)らが現れた。伊丹によると、歯の治療記録から白骨死体の身元が飯島佐和子(高橋由美子=二役)と判明。その佐和子は出家して飯島雀蓮になっているという。
しかし、雀蓮は間違いなく生きている。とはいえ、歯の治療記録に間違いはないはず。頭をひねる一同を前に右京は大胆な仮説を披露する。その仮説とは・・・。
相棒Season03 第19話「異形の寺」最終回90分スペシャル
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